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「与太郎」といえば、落語でお馴染みのボケキャラ。
アホでドジで能天気。おまけにはたの迷惑考えず、とことんポジティブ。というお決まりの設定で、落語には欠かせない存在でございます。 先日、そんな与太郎は、「実は地球を救うスーパーヒーローだった」!!という、とんでもないけど笑える「落語ミュージカル」を堪能いたしました。 ![]() 極楽歌劇団という浪花の演劇集団が、東京は下北沢のタウンホールでどったんばったん。 落語のおなじみの話を盛り込みながらの人情活劇ミュージカルって 「どんなやねん?」と興味津々で出かけたのですが、これがオオアタリ~。 脚本(ホン)がとってもよ~でけてる。(とつい大阪弁に…) 役者さん、みんな達者や~。歌も踊りも落語も(間に落語も入るんですわ)みなさん、でこぼこなく、うまい! 落語好きな人はもちろんだが、そうでなくても充分楽しめる。 愛・地球博のテーマじゃありませんが、「人類の叡智」を信じさせてくれるいやいや、すばらしいお噺でございました。 あるひ突然、空から降ってきた捨て子を、落語でお馴染み貧乏長屋の八っつあん、熊さん、ご隠居もろもろが、「与太郎」と名づけ、みんなで育てるというお噺なのですが、落語の「道具屋」「寿限無」「らくだ」「地獄八景亡者の戯れ」「ろくろ首」などなど、エッセンスから物語まで、実にうまくまぶしてあり、最後は与太郎が、地球を救うために自分の頭についている(うまれつき頭に星が生えてるって設定なんです。この与太郎)星で自殺する、ってところは「あたま山」をベースにしたまさに「あたま星」ともいえる幕切れ。不覚にもわたしゃあ、涙を流してしまいました。 ところで、浪花の劇団が東京で上演するって大変なのね。と名古屋っ子の私は、下北沢の劇場で思いました。 関西のお笑いは子供のころからなじんでいるけど(土曜の午後のテレビは吉本と松竹新喜劇でした)、関西の人には「常識」のギャグが東京で即、通じなかったりするのね~。いちいち説明しなきゃいけないところがあって、「ご苦労様」って場面も多数。箱根の山って高いのね~。 そのいい例が、「道具屋」をもじったシーン。火事場から拾ってきたのこぎりを売っちゃう道具屋が、のこぎりでひと笑いとるんですが、のこぎりを足に挟んでバチでたたいて楽器にするってやつをやるんです。 ほら、あれですよ。あれ。 みなさん、ご一緒に。 ♪お~ま~え~は~ア~ホ~か♪ 横山ホットブラザーズの定番ですけど、完全に理解していたお客さんは一握りだった模様。役者さんが「はい!ご一緒に」といっても、大笑いしながらも、食いつきが少なくて、「やっぱり、東京じゃまだまだか~」と無念のひと言。 というわけで、この極楽歌劇団、のりのりの大阪で見たらもっとおもしろそう! 観客と一緒になって、楽しさ倍増、きっと間違いなし、ですわ! ※落語「あたま山」。山村浩二監督のアニメでアカデミー賞を受賞した「あたま山」の原作でもあります。ワタシも大ファンの浪曲師・国本武春さんがうなってます。立川志の輔さんの解説がとてもわかりやすいので、興味のある方はこちらをどうぞ。 ■
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by buchi128
| 2009-10-18 20:04
| 落語のツボ
今週は「自分で自分にごほうび」週間デス。
先週まで、初挑戦の仕事でものすご~く自分を追い詰めておりまして。 ガラにもなく、ひと段落するまで「禁酒」な~んてのまでしちまいました。 へろへろだったので、まずは、鍼で体をゆるめて。 月曜日、新宿の花園神社で「椿組」のテント芝居『新宿ジャカジャカ』。 友人が日記でおもしろかったと書いていたのが、背中を押してくれた。 ![]() アバンにいきなり!!山崎ハコ登場!! ♪アカシアの雨にうたれて~♪と歌い上げる。 1969年ごろの新宿西口フォークゲリラのお話なので、全編フォークミュージカルといった体。 飽きさせず、役者さんもみんな達者で素直におもしろかった~。 花園神社のテント芝居は以前『唐組』を観ただけだったので、 あの暑さの中でぎゅうぎゅうになって観るのを覚悟していたら、 ちゃんと席が設けてあり、おまけに指定も出来るというご~か(?)さ。 うちわもレンタルできて、快適、快適。 うちわで拍子をとりながら、みんな歌を一緒にくちずさんだりして。 …でも、さすがに、知らない歌ばかりだったなあ…(といちおう、世代が違うことはここでいっておこう…♪自衛隊に入ろう♪ くらいはわかったけど…って充分?) 火曜日は、うふふふ。 コクーン歌舞伎。『桜姫』。 ![]() 先月、同じ桜姫を現代劇(南米に舞台を置き換えて)として長塚圭史が脚本におこしたものを、 大竹しのぶ(桜姫ことマリア)、白井晃(清玄ことセルゲイ)中村勘三郎(釣鐘の権助ことゴンザレス)、古田新太(残月ことココージオ)たちの怪演で堪能した。が…正直脚本がちょっと難解すぎたというか、無理があるというか…。観たあとお芝居の話しで盛り上がらなかったといえば、なんとなく伝わるかな…。(ワタシが勝手にわかんないだけなんだけど) 今回は同じ舞台装置で、同じ串田和美が演出でコクーン歌舞伎。 『桜姫』そのものは、はちゃめちゃな波乱万丈すぎるお姫さまのお話なのだが、オーソドックスに筋をおいつつも、さすが!の演出、役者たちのうまさにうなること。うなること。細かいことをいえば、いろいろ感激した部分はあるのだが、あえてひとつだけあげろといわれたら、桜姫を演じた中村七之助の美しさ。悪党、釣鐘の権助(中村橋之助)との濡れ場の所作の美しさ、妖艶さに圧倒された。歌舞伎通の友人いわく、以前観た玉三郎の桜姫は、息をのむほどすごかったそうだが、いやいや、七之助さん。(玉三郎に教えを乞うたらしい)これからどんな女形をみせてくれるのか、わくわくするような楽しみの種をまいてくれたような気がする。 しかし、これを観たことで、なかなか腑に落ちなかった先月の『桜姫』との符合がいろいろ見えて、おもしろさが増したことは確か。 思い切って(無理もして(笑))両方観て正解!だった。 それにしても、二ヶ月連続して、同じ舞台装置で同じ演目を、全然別の形、別の人物になりきって演出し、演ずる、串田和美と中村勘三郎(6月は、ゴンザレスという権助とおぼしき人物を、今回は、清玄を演じてます)っていう人たちのすごさにぞ~っとするばかり。 (あ、笹野高史さんも両方でてます) いや~。芝居も、その後の飲んでおしゃべりも思いっきり堪能しました。 で、つかれて、朝寝坊して、皆既日食。観損ねました。 さあ、土曜日は名古屋場所だ~!!!どすこいっ! ■
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by buchi128
| 2009-07-23 21:05
| 落語のツボ
![]() 『三人吉三』。せっかく友人が先行予約でチケットをとってくれたのに、仕事が入ってダメになった。観てきたひとはもちろん、以前、観たことがあるひとも、「残念~。ず~っごく面白いのに~」と傷口をひらいて塩をすりすり塗りこむし、ある友人などは、「仕事と芝居とどっちが大事なんだ~」と非難する始末(笑) 「ああ。口惜しや。口惜しや~」とのたうちまわって ようやく1年。 今年こそ! リベンジ。 ようやくチケットをゲットし(それはそれは大変でした) 「いざ。いざぁ~」 『夏祭浪花鑑』(なつまつりなにわかがみ) 勘三郎扮する団七九郎兵衛が、笹野高史扮する彼の舅、三河屋義兵次を殺してしまうという悲劇。しかし、そこに登場する人物たちの男気、女気(あえて言いたくなる)の気持ちよさ。「祭り」のもっている何ともいえない、人を狂わせる「熱」のようなものが、時にユーモラスにまた時にぐいぐいと舞台へと観客を巻き込んで、会場全体がまさに夏祭りの喧騒の中にいるかのごとく感じさせてくれる。 義兵次が殺されて、全身泥まみれになりながら池に沈んでいく泥場はもちろん、和ろうそくで夜と彼らを黒子たちが照らすという、独特の演出は迫力、ムードともに満点。 海外のお客さんが熱狂したのは当たり前だ。 ラストはご存知、舞台裏をブチ抜いてパトカーが到着。 外の駐車場をゆく町の風景がそのまま、舞台と一体になるしかけだ。 当然、「今」を歩いているフツ~の人が、今の今まで、江戸時代の大阪・夏祭りの渦中にいた人々の輪の中に期せずして、参加しちゃうことになる。(テント芝居とかではあるけど…) そこで、ふと、思い出した。 コクーン歌舞伎が行われるBUNNKAMURAは、先日、私が『靖国・YASUKUNI』を観た映画館のすぐ目の前だ。 コクーン歌舞伎の異次元と、ドキュメント『YASUKUNI』の異次元が、2008年6月渋谷という現実をはさんで向き合っている。 勝手にそんな偶然にどきどきしながらも、やっぱりさっきの舞台裏の駐車場、覗きに行っちゃった(笑) ■
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by buchi128
| 2008-06-23 19:37
| 初めてのツボ
![]() シアタートラムで野田英樹の『THE BEE』。 先月観たお芝居。偶然にも意外な共通点があって驚いた。 それは「鏡」。 二つとも舞台装置に鏡が効果的に使われていたのである。 序幕、第一場。歌舞伎座の舞台の幕があく…と、同時に客席にライトがあたり、観客たちが舞台に映し出され、まずはどよめく。舞台全面が鏡になっているのだ。さらに、舞台にライトがあたると、そこには満開の桜が咲き乱れる花見の場面。その美しさにみとれながら、芝居に入ると今度は、桜と花見の役者の姿が消え、その奥に新たな場面がうかびあがる。 ハーフミラーを使った実に効果的な場面転換。その後も鏡で襖を仕立てるなど、ハーフミラーの手法が随所で光っていた。 シェイクスピアの喜劇『十二夜』を日本の安土桃山に置き換え、それを歌舞伎役者たちが演じるというこのお芝居。双子がキーワードということもあり、「鏡」に「映る」ものものが、ストーリーそのものを象徴しているというしかけだ。 一方、野田英樹演出(出演もしてる)の『THE BEE』も、ワンステージで装置の入れ替えなし。全てのシーンを、ハーフミラーで作り出す場面だけで展開するというこれまたユニークな試みだ。脱獄犯に家族を人質にとられたごく普通のサラリーマン。被害者だったはずの自分が、いつのまにか加害者へ逆転していくというストーリー。主人公の家と外、脱獄犯の家と外、テレビ局…さまざまなシーンが、ハーフミラーを置いて、ライトを調節するだけで、さまざまに浮かび上がる。これまた、「鏡」という舞台装置が、一人の人物が世間から、そして自分の中でどう「映るか」?という象徴に見えてくるから面白い。 素直に面白がればいいいのだが、そこは職業柄。一応、科学番組なんて担当しているので、後ろの席で「ねえねえ~。あれってどうなってるの?」といつまでも話しているのが聞こえると、「うるさいなあ」と思いつつ、説明してあげたい虫がうずうずして困った。 お芝居にも科学が満載! 蜷川さん、今度は空気砲でも使わないかなあ…。 ■
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by buchi128
| 2007-08-01 00:40
![]() 上方落語の「地獄八景亡者戯(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)」と「たちぎれ線香」をベースに、「算段の平兵衛」「崇徳院」「高津の冨」「らくだ」「はてなの茶碗」などなど。とにかく落語がこれでもか、と「ぞろぞろ」でてくるお芝居である。 地獄はおりしも、先代閻魔大王の千年忌。記念の大サービスでおもしろい話をしたやつを、現世にもどしてやる。という閻魔様の粋な計らい。ここで飛び出したのが若旦那。「あれは今から百年前…」と語るのは、自分と芸妓小糸の恋物語。これに落語の噺があれやこれやで絡んでくる…というからくりだ。 山内圭哉の存在感にうなり、松尾貴史の器用さに改めて感心し、市川笑也のあでやかさに納得し、高橋由美子も意外にやるのね。と思っていると、あっというまに2時間半。 主役の若旦那(佐藤アツヒロ)と小糸(高橋由美子)以外は、9人が数十名の登場人物を早変わりで演じわけるというのも、醍醐味のひとつ。 一人で何役もを演じる落語ならではの演出だ。 つくづく落語の登場人物って、どうしてこんなに魅力的なんだろう~。 「人間ってほんと、おもしろおますな~」とおなかがすいてのどが渇くほど笑った。あとのビールのおいしかったこと。 監修は、米朝師匠。全編関西弁でテンポこのうえなくよし。 会場案内まで、関西弁で。 名古屋で聞くとあまり、おお~って思わないんだけど、東京で関西弁聴くと、なんか、新鮮。 ■
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by buchi128
| 2007-02-11 23:49
| 落語のツボ
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