何度読んでも泣くのだ。
『100万回生きたねこ』。 100万回死んで、100万回生きたねこのお話。 飼い主を一度も好きにならず、死ぬのなんか平気だったねこが 最後に生まれ変わったのは、のらねこ。 一匹の白いねこに恋をして、初めて死をおそれ 愛するもののために初めて涙を流す。 そして、この一生を最後に…二度と生き返らなかった…というお話。 出版されたのは、34年も前。 しかし、今も、これからも、何度でも読み返したくなる絵本だ。 愛の大切さを語っているのだという人がいる。 100万回の生と死は、修業だったと解く人がいる。 子どもの時、そして大人になったとき、さらに苦しみや喜びに出会ったとき 心のありようで、多分、解釈は無限大。 それがこの絵本の魅力だと思う。 主人公の「ねこ」の目つきが悪いところが いつもかなり残酷な死に方をするところが 意外とワタシはスキだったりする。 それなのに、読むたびに何度もあったかい涙が出る。 大好きな絵本の作者。 ご縁があった。 NHKのアーカイブスの番組で作者、佐野洋子さんを取り上げさせていただくことになった。 定期的なシリーズ「蔵出し劇場 あの人からのメッセージ」だ。 ステキなメッセージを残された方を二人組み合わせ、NHKのアーカイブスの映像を再構成して全く別の番組を作り上げる。 佐野さんの映像は、ほとんどないに等しかったのだが、 ご遺族のご協力、そして佐野さんのトークライブなどを開催された子どもの本の専門店のみなさんのご尽力で、なんとかまとめることができた。 『100万回生きたねこ』を語るラジオ番組での佐野さんの発言はかなり貴重なもの。 「15分でできちゃったの」とひょうひょうとおっしゃいながら、込めた思いがコメントにあふれている。 モデルといわれた、当時の飼い猫ミーニャとの2Sも登場する。(猫好きなのでついついここに力が入った…) 組み合わせるのは、『橋のない川』の作者、作家の住井すゑさんである。 意外や意外、お二人で絵本を創られているのだ。 住井さんのご遺族に番組企画のお願いをさせて頂いた折、 「佐野さんとごいっしょなんてうれしいわ」とおっしゃってくださった。 「何のために生まれてくるのかな?」 な~んて大層なことだが、結局、人間ってそんなことを考えてわかんないまんま死んでいくやっかいな生き物だ。 多分、うちの飼い猫すみくろはそんなことは微塵も考えていない(と思われる) 能天気なワタシでさえ、考えないといったらウソになる。 そして、そこには「何のために番組を創る仕事についているのかな?」 ということも、偉そうにふくまれていたりするから、やっかいだ。 そんなこと思いながら、もう随分、番組作りに携わってきた。 くじけそうになることもあるけれど、 今回のようなご縁に出会い、 そしてごいっしょした方に励まされると 「やっててよかった」 とうれしくて小躍りしたくなり 「これもひとつ役目だったのかな」 などと、不遜なことも考えてしまったりする。 そして、まだまだそんなことを悩みながら続けていき また、『100万回生きたねこ』を読み返すに違いない。 ところで、そんなワタシを飼い主に持ったすみくろは、 一体、何回目の生まれ変わり…? 『蔵出し劇場 あの人からのメッセージ』 ~いのち 等しく輝け~佐野洋子と住井すゑ~ 2月17日(木) NHKBS2 18:00~(38分です) #
by buchi128
| 2011-02-16 04:29
| ねこのツボ
いや~。思いっきりご無沙汰してしましました。
ツイッターを始めたら、そっちばかりになってしまって。 というわけで、業務連絡。というより番組の宣伝です。 今年の4月~9月までNHKBS2で放送していた『総合診療医ドクターG』12月18日の深夜、NHK総合テレビで再放送されます。 一挙4本。 24時50分~26時50分 中部地区は残念ながら2本で、こちらには、私の担当分ナシ。なのでちょっと寂しいけど。 こちらの放送時間は、同じく12月18日の深夜25時50分から26時50分 BSではなかなか観られなかったとおっしゃっていた方もこれなら。 で、さらに 22日には、NHK総合午後8時から 特別番組が放送される予定! ブログ、サボってましたが、もちろん感激はもりだくさん。 即、つぶやいていたのでなんだか満足してしまってました。 古典落語のその後を創作したSWAの新作のおもしろさ。 ナレーター槇大輔さん率いる「語り座」で、「こころにとどく語り」について考えたこと。 絵本作家、佐野洋子さんのこと。 今月の初め、おわかれの会を取材させていただきました。 今、彼女の番組を創っているところです。 (放送は来年2月NHKBS2での予定) などなど、ぼちぼち、書いていくつもりです。 あ、でも、まだ、年賀状さえ、書いてなかったんだ…。 #
by buchi128
| 2010-12-16 23:23
わが愛猫「すみくろ」は黒猫である。
黒猫だからといって、宅急便で働いたりはしていない。 しかし…。 先日、急ぎの原稿のため徹夜で台本書きとなった朝。 ほとんど倒れこむようにしてベッドでねむった。 夕方、電話でおこされたとき、 足元には、すみくろが寝ていた。 しかし…。 何かがヘンだ。 何かが足りない。 そう。 肌寒くなった昨今、夏蒲団の上にタオルケットをかけて寝ていたのだが タオルケットがないのだ。 あれ? 爆睡中に暑くなってはがしちゃったのか? それとも、タオルケット、掛け忘れたのか? と思って寝室を探したが見当たらない。 リビングにもどった私の頭に再び「?」が。 なんと、リビングの隅にタオルケットが移動していたのだ。 あれ? タオルケット、こんなところにいつ持ってきたんだろう? おまけに、玄関にあったすみくろお気に入りのネコマットも一緒だ。 徹夜明けのぼんやりあたまが次第にクリアになってきたころ、 私の頭の中の「?」が「!」に変わった。 「すみくろ」だ! すみくろが運んだに違いない! まさか~。とお思いになるだろう。 しかし、以前、実家でわたしと両親は目撃したのだ。 すみくろが、わたしのベッドのベッドカバーをくわえてずるずるとひきずりながら、リビングまで運んでいくところを。 それも、1度ならず3度も! すみくろは現在体重4キロ強。 メスネコとはいえ、なかなか力持ち。 脚力はもちろん、かみぐせがあるので(これはまた書きます) やたらとなんでもかんだりくわえたりする。 歯の力も相当なものだと思われる。 朝方ねむったきり起きない飼い主に、しびれをきらし、 遊んでくれないのなら自分で遊ぶもん!とばかりに タオルケットを運んだのではないか。 とはいえ、わたしが寝ぼけてタオルケットだけをリビングに運び、 再びベッドでねむりコケタ。という説が完全否定されたわけではない。 すみくろに聴いてみないとわからないが、 タオルケットとネコマットが大移動していた、ことだけは事実である。 え~? わたし~? し~らな~い。 #
by buchi128
| 2010-10-05 00:53
| ねこのツボ
今日は、中秋の名月。
夜、土砂降りになったので、少し心配したが、お月様は顔を出してくれた。 すみくろとベランダで月見。 とはいえ、月を眺めているのは私ばかり。 すみくろは「何してるのにゃ?」と私の顔を眺めてる。 3年前、やはりここから月の写真をとって友人にメールした。 彼女は、病院のベッドの上だった。 次の年の月は見られないことを納得して、闘病生活を送っていた。 私がしてあげられることは何もないのか? 医者をしている友人に尋ねた。 「普段通りにしてあげること。学生時代、一緒にすごしたときと同じように接してあげられるのは君だけ」と言われた。 ふるさとを離れて暮らしている彼女に、 自分がその日過ごした名古屋の風景を、思い出したように報告した。 できるだけ、さり気なく。 上手にできたかどうか、もう彼女に尋ねる術はないが。 季節は夏から秋。 取材で食べた「栗きんとん」の写真を送ったこともあった。 「もう、そんな季節なんだね~」と返事。 「あのメールみたら。急に栗きんとん食べたいっておかあさん。あのあと食べたんだよ」 墓参りのときに娘から聞いた。 寒い季節が来る前に、逝ってしまった。 学生時代から、はっぱを掛けられていた。 病院のベッドでも、見舞いにいったほうの私が逆に 「あんたの将来が心配。そんなにぼんやりしてて」と いわれたっけ。 こちらこそ、一緒におばあちゃんになれるんだと思ってたよ。 「あのときはさあ」なんて、思い出話を将来するつもりでいたんだよ。 見晴らしのいい病室だった。 あそこからはどんな風に月が見えていたのだろう。 「月はどこでみても同じ月だけどね」といいつつ、送った私。 同じ月をみていることで、彼女の存在を確認したかった。 今、どこで彼女はこの月をみているのだろう? 「しっかりしなよ!」 友の声がいま、とても聴きたい。 #
by buchi128
| 2010-09-22 23:00
「万が一のことがあったら、あそこに私の友達が埋まってるかもしれません!って瓦礫の中から探してね!」
近所に住む友人にそう、時々、話している。 偶然ではあるが、高校時代の同級生とこれまた親しい友人夫妻が道を隔てた近くに住んでいるのである。 都会(といっても名古屋だけど)のマンション暮らしになって早10年以上。 マンションの住民の方とはあいさつをするようにしているが、 正直言って言葉を交わしたことがない人も数人いる。 万が一、そう、巨大地震に見舞われたとき、 ひとりで暮らしている自分はいつ、いかなる方法で逃げ、 そしてご近所に助けを求めればいいのだろう? 思っちゃいるけど中々実行できないというのも事実。 明日(19日)放送になる 「news every スペシャル 巨大地震からの教訓!近所の絆が命をつなぐ」 (中京テレビ 16時半から)で、そんな近所の力に注目した。 阪神淡路大震災をきっかけにマンションの自主防災をスタートさせたという加古川のマンションを取材した。 いざ、というときの炊き出し用に準備されているのは「イカ焼き機」。関西名物でみなさんの大好物。粉は各家庭で常に余分に常備し、いざというとき持ち寄ることになっている。マンションで定期的に行われる祭りでだされるイカ焼きが、そのまま手早く焼く訓練になっているという一石二鳥。災害時の水を確保するため、自費で井戸も掘った。これも、災害時だけでなく、みなさんの井戸端会議の場所に、子供たちの水遊びの場所にと普段は使われている。こうした「普段遣い」の防災が、自然に身についていることの素晴らしさに感心しきり。しかし、これも一朝一夕にできあがったシステムではないとのこと。10数年かけてあいさつからスタートしたと世話役の0氏は語る。 肩肘張った「防災訓練」をするのではなく、自然に住民同志が声をかけあい、助け合い、気にしあう暮らし。 これをつくってきたことこそが、「最大の備え」であり「ライフライン」なのだ。 私事だが、昨年、母が急病で倒れ救急車で運ばれた。 その折、ずっと親身になって力になってくださったのは、母がずっとおつきあいをつみあげてきたご近所のみなさんだった。「イザ」というときの「ご近所の底力」はやはりすごい。 そしてそれは、自らつくってこなくてはいけないものなのだと痛感したばかり。 とはいえ、常備している非常用持ち出し袋も購入したときのまま、部屋の隅においてある私。 まずは足元からちゃんとしないとね。 「紺屋の白袴」にならぬように。 #
by buchi128
| 2010-09-18 23:11
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