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つれづれ猫日記

100万回生きたねこ

何度読んでも泣くのだ。
『100万回生きたねこ』。
100万回生きたねこ_a0085246_4362927.jpg100万回死んで、100万回生きたねこのお話。
飼い主を一度も好きにならず、死ぬのなんか平気だったねこが
最後に生まれ変わったのは、のらねこ。
一匹の白いねこに恋をして、初めて死をおそれ
愛するもののために初めて涙を流す。
そして、この一生を最後に…二度と生き返らなかった…というお話。

出版されたのは、34年も前。
しかし、今も、これからも、何度でも読み返したくなる絵本だ。

愛の大切さを語っているのだという人がいる。

100万回の生と死は、修業だったと解く人がいる。

子どもの時、そして大人になったとき、さらに苦しみや喜びに出会ったとき
心のありようで、多分、解釈は無限大。
それがこの絵本の魅力だと思う。

主人公の「ねこ」の目つきが悪いところが

いつもかなり残酷な死に方をするところが

意外とワタシはスキだったりする。

それなのに、読むたびに何度もあったかい涙が出る。
大好きな絵本の作者。

ご縁があった。

NHKのアーカイブスの番組で作者、佐野洋子さんを取り上げさせていただくことになった。
定期的なシリーズ「蔵出し劇場 あの人からのメッセージ」だ。
ステキなメッセージを残された方を二人組み合わせ、NHKのアーカイブスの映像を再構成して全く別の番組を作り上げる。
佐野さんの映像は、ほとんどないに等しかったのだが、
ご遺族のご協力、そして佐野さんのトークライブなどを開催された子どもの本の専門店のみなさんのご尽力で、なんとかまとめることができた。
『100万回生きたねこ』を語るラジオ番組での佐野さんの発言はかなり貴重なもの。
「15分でできちゃったの」とひょうひょうとおっしゃいながら、込めた思いがコメントにあふれている。
モデルといわれた、当時の飼い猫ミーニャとの2Sも登場する。(猫好きなのでついついここに力が入った…)

組み合わせるのは、『橋のない川』の作者、作家の住井すゑさんである。

意外や意外、お二人で絵本を創られているのだ。
住井さんのご遺族に番組企画のお願いをさせて頂いた折、
「佐野さんとごいっしょなんてうれしいわ」とおっしゃってくださった。

「何のために生まれてくるのかな?」

な~んて大層なことだが、結局、人間ってそんなことを考えてわかんないまんま死んでいくやっかいな生き物だ。


100万回生きたねこ_a0085246_4441110.jpg多分、うちの飼い猫すみくろはそんなことは微塵も考えていない(と思われる)

能天気なワタシでさえ、考えないといったらウソになる。

そして、そこには「何のために番組を創る仕事についているのかな?」
ということも、偉そうにふくまれていたりするから、やっかいだ。

そんなこと思いながら、もう随分、番組作りに携わってきた。
くじけそうになることもあるけれど、
今回のようなご縁に出会い、
そしてごいっしょした方に励まされると
「やっててよかった」
とうれしくて小躍りしたくなり
「これもひとつ役目だったのかな」
などと、不遜なことも考えてしまったりする。

そして、まだまだそんなことを悩みながら続けていき
また、『100万回生きたねこ』を読み返すに違いない。



100万回生きたねこ_a0085246_437478.jpgところで、そんなワタシを飼い主に持ったすみくろは、
一体、何回目の生まれ変わり…?

『蔵出し劇場 あの人からのメッセージ』
~いのち 等しく輝け~佐野洋子と住井すゑ~
2月17日(木) NHKBS2 18:00~(38分です)

by buchi128 | 2011-02-16 04:29 | ねこのツボ
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今日も道端で出あった気になる猫と、きままなおしゃべり

by buchi128
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